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ドイツ博物館に行ってきた~①現代の飛行機~

ドイツ博物館に行ってきた~①現代の飛行機~

ミュンヘン旅行 DAY2 ドイツ博物館

前回の記事はこちらからご覧ください。今回は旅行で最も面白かったドイツ博物館の展示についてのみの記事になります。

ドイツ博物館について

ミュンヘンの市街地からわずかに離れた川の中州にある巨大な科学技術博物館です。とにかくでかい。全部は回り切れないので航空宇宙のみ見てきました。一言でいうなら航空機ではなく航空工学の博物館。航空工学を学べる展示にあふれてました。日本にもこんな博物館が増えるといいな。

全体はカメラに収まらないほど大きく、所狭しと飛行機がおいてありました。1階が現代の飛行技術、2階が戦前の航空機の展示で、とにかく実機がおいてあり充実の展示でした。

A350胴体

複合材の研究をしている端くれとして、入ってすぐ見えたA350のCFRP胴体に感動しました。大きいですね。

そばに解説パネルがありそこには、A350はCFRPを使用することで金属と比較し、胴体を1t軽量化できたことが書かれていた。また構造としては、胴体は4枚の板から構成され、重ねてリベットでつなげられていること、またアルミリチウム合金のフレームにCFRPのストリンガが接着されているという記載があった。あと雷撃対策に銅メッシュがあるとまで書いてあって複合材の研究室で習った内容が学べてうれしかったです。

詳細観察に移ります。説明通りの構造が観察できます。画像下方の白い部分が重ねてある部分で、オーバーラップ部は30 mm程度なのかな?定規を持っていけばよかった。たくさん写真を撮ったのに暗い場所で素人カメラだとぶれてしまった。スマホでとった一枚だけがきれいに細かい部分を映してた。複合材とアルミ合金だと腐食が避けられないがリベットには何か工夫されてるのかな。フレームと接合するアングル部には平織が使用されている。レーシングモビリティなどでは最外層に美しさのために平織を使いコストダウンのために内側は一方向材で厚み増しをするがこれはおそらく平織ですべて積層しているのではないだろうか。ボルト円孔の荷重やアングルにかかる複雑な荷重に耐えるためかな、この一つ一つが疲労試験されていると思うと感慨深い。

胴体のオーバーラップ部
詳細な構造部。ストリンガーと外板の接合やフレームと接合する部材も興味深い

ドルニエ Do 27

名前はよく聞く西ドイツのドルニエの飛行機です。前縁のスラットと後縁のダブルスロットフラップにより短距離離着陸を実現したものらしい。シンプルな高翼機で好き。

主脚。短いがしっかりとダンパーが入っていることが確認できる。

航空機の作り方ということでリベットの展示。金属外板を機体に固定しどのように作っていくか、生産手法の解説になっていた。

L-5(たぶん)

手元にあった写真から察するにたぶんL-5です。違ったらごめんなさい。トラス構造の胴体にが美しいですね。

僕が見せたいのはここです。水平尾翼の骨組みです。簡易的な構造はさておき、上から2つ目にだけ斜めに支柱が入っています。すべてに入ってるなら理解できる。上から2つ目だけということはここにだけ支柱がいると判断したエンジニアがそこにいる証明にほかならない。僕がこの舵面の設計を任されて同じように必要な区画にだけ斜めの補強を入れられるだろうか。解析ソフトもない時代に軽量構造を極めた設計を見れてよかった。

続いてエンジン。僕の知識じゃ何のエンジンかはわからん。ただ切断し、内部構造を見せて、どこにどのように燃料が流れるのか示す展示は分かりやすくてうれしい。

ROTAXのエンジン。軽飛行機で使っているのを聞いたことがある

Olympiaのグライダー DFS Meise

1940年のオリンピックではグライダーが種目にあったらしい。そのために選ばれたグライダーがこの機体。木造で安く修理もしやすいグライダーだった。1944年のヘルシンキオリンピックは戦争で無くなり、このグライダーは戦後ヨーロッパで多く作られたもののオリンピックの種目のグライダーになることはありませんでした。

ここでも尾翼に斜めの支柱が。先ほどとは違う位置に。これはまだ最も大きい部分なので納得であるが自分が設計したときに入れられるのかといわれると自信はない。作ってみて補強しての結果なのかな。

流体力学の展示

これがまた面白い。日本にもこういう展示が増えてほしい。

ボタンを押すと2つの物体が左から動いてくる。分子の動きの違いを直感的に理解できる。
姿勢を変えながら風を送れて左下のランプでいまポーラーカーブのどこかを示してくれる。
翼端渦の体験型展示。翼が写真の前後に動いて煙が端に来た瞬間、下面から上面に流れ込み翼端渦ができる様子が観察できる。
静安定性の展示。翼に取り付ける前後で翼の挙動の変化を見るもの

そのほか風洞関連の展示もあった。どれも丁寧に説明されていてしっかり展示されてた。

古い風洞でC-160がつるされて試験される様子。2012年まで使用されていた設備の一部らしい
A300のハーフモデル。ゲッチンゲンにある低速風洞で試験されたらしい。エンジンから排気の影響を見るため試験され、写真の模型ではフラップが中間位置に固定されて展示されている。
様々な風洞試験モデルたち。タイフーンの木製模型にはカナードの角度が書かれている様子が確認できる。
Do31の風洞試験模型。天秤の解説が充実していた

下に移っているひずみゲージの図が可愛い。共和電業のヒズミンみたい(伝われ)。

ヘリコプター達

雑なタイトルですみません。ヘリもたくさん置いてありました。

Alouette II トラスのテールがいいですね
cavalonのオートジャイロ機
DHLのチルトローター型のドローン

写真があんまりないし逆光!!Bo105が左上に移ってるけど写真がない!見逃した・・・

F-104F

これもまた名機体。ドイツ空軍のLockheed F-104F スターファイター。GEのJ79-11Aエンジンも併せて展示されていた。1970年代にファントムやトーネードと置き換わるまで主力であった。マッハ2まで飛行する機体のテクノロジーを解説してくれた。

改めてみると薄すぎるF-104の主翼。どこに燃料を積んでいたのか。離陸時に前縁が13度、後縁が15度下がり着陸時に前縁が27度、後縁が45度下がり、小さな翼面積で離陸できるようにしていた。ただ45度も下げると剥離してしまうのでエンジンのブリードエアを送り込み翼上面に流すことで境界層制御をしていたとの説明があった。¥

主翼断面

エンジン。ドイツのMTU Münchenがライセンス生産し、部品供給、生産、オーバーホールを実施していたらしい。k

これまたマニアックなメカ。電波を発するたびに自信の位置がばれてしまうことは軍用機にとってリスクであり、自身の位置を自分で知る必要があった。この装置は飛行機の運動を記録し、信号や地上の追跡なく自身の位置を追跡できる、原理の説明を読んでいる感じ、3軸の加速度の積分で求めているらしい。当然ノイズが乗るわけで、これが正常な位置を知らせるまでに10年の改良が必要だったらしい。MEMSのない時代に実現したのだから驚きである。

Litton LN-3 ナビゲーションシステム

A300主翼・胴体

A300の主翼。とにかくでかい。全体を写した写真は載せないが面白かった部分を紹介していく。

エンジン(GE CF6 50D)の固定部。教科書通り3点で固定されていることが観察できる。エンジンの推力をこんなか細い部材が支えていることが驚き。

エンジン固定部
エンジンの主な固定部。主に引張荷重を受け持つのでこの細さで耐えるのかもしれないがそれでも不安になるか細さ。

翼断面の展示にあったフラップ付近の構造の様子。フラップはもちろん、上部の薄い部分に注目してほしい。この細かい部分をソリッドにせず、アルミハニカムを用いたサンドイッチパネル構造にしている。軽量化の努力がよくわかる。

こちらが翼の様子。主脚付け根がよく見える。左上につるされているのはA320の水平尾翼トーションボックスで、スパンは12.45 m 。A320には試験的なCFRPの導入として、尾翼や舵面、フラップなど重量比15%のCFRPが使用された。こうしたかつようがのちのA350やA380に繋がった。

ビジネスジェットGrob G180や複合材特集

G180は複合材を多く利用したビジネスジェットで、試作一号機が博物館に寄贈されていた。二号機が墜落事故を起こし、会社は倒産。開発が中止された機体。かなり貴重。

エアバス社の輸送機A400の扉の風除け。トムクルーズが掴まっていた部分として紹介されていた。わかりやすい。

思ったより長くなってしまったのでここまで!!次回で2階の古い飛行機について書こうと思います。